先日、調布市が市民から募っていた自転車利用に関する共通ルールに私の意見を提出しました。
その後、市が他の多くの意見を踏まえルール(案)をとりまとめて、試験的に現地導入していくとホームページにて公表されていました。
数多くの意見の中で、私の意見も参考にされていたので、市の回答を掲載します。
●左側走行を守ろう
車道を走るとき、自転車道を走るとき、歩道を走らせてもらうとき、すべて左側を走ろう。
(自転車道・歩道の双方向通行不可)
市の考え方
「利用者のルール」は、道路交通法に基づき、作成しております。ご指摘の点につきましては、自転車安全使用五則の2に明記させていただいております。ただし、道路交通法では、「自転車歩行者道では、自転車は歩道の中央から車道よりの部分を徐行しなければならない」ことも決まっております。
●手信号をしよう
右へ曲がる。左へ曲がる。止まる。手で合図することで周りの人へ伝えよう。
市の考え方
貴重な御意見として、所管の警視庁のほうへ伝えたいと思います。
他の細かなルールについての回答
現在も警視庁では、安全利用五則の一部として、「信号を必ず守る」「一時停止の標識を守ろう」「夜間はライトを点灯」「携帯電話を使用しながらの運転禁止」「傘を差しながら運転禁止」などについては、安全教育の場などで、周知徹底を図ってきております。
ルール以外にも、いくつか意見を提出しました。
そのことについても回答がありました。
私の意見
ルール作りと並行して、道路を改善する必要があります。
例えば、自転車道の段差をなくせば、スムーズに通行できます。車椅子でも通れるような道にします。
道路交通法が改正されて、自転車は車道の左側を通行するとなりました。
しかし、路肩の排水溝の蓋にタイヤがはまり、ケガをする事故も多いです。
蓋の網目の形態を見直す方がいいと思います。
また、信号のタイミングを改善することも必要だと思います。
例えば、交差点の左折車と横断している人によって待つ渋滞。
曲がる車を信号で先に行かせ、次に信号が変わり、直進車と横断する人が安心して渡れるようになればいいと思います。
市の考え方
自転車走行空間の整備については、道路構造や使用状況などを踏まえ、多様な手法を用いて整備を進めております。
いただいたご意見は今後の参考とさせていただきます。
以上、私が提出した意見についての回答です。
調布市のホームページにてルールについて掲載されています。 >> こちら
・ 自転車利用共通ルール(案)
・ パブリック・コメント結果
結果、市が作ったルール、また他の人の意見について市の回答を読んで思ったこと
私以外でも、同じような意見はありました。
現状、「困っている」「危ないと思っている」、そこから改善していこうという市民が多くいました。
しかし、市が作ったルールは「募った意見の中から欲しかった意見をつまんで市のルールにした」という内容に見えます。
意見に対しての市の回答は、道路交通法に基づきそれを優先に、警視庁の指示に従い.....、といった内容。
「根本的なルール作りを市民によって行い、そのルール(条例)が第一に優先される」というような、地域の新しい取り組みになるかと期待していただけに残念です。
●「きまり」や「標識」が増える一方で、一人ひとりの意識は変わらない。
●「ルールを守ろう」と声が大きくなることが、マナー向上とはつながらない。
●新しい自転車道を作っても、ルールが伴わないなら事故はなくならない。
そう思えて仕方ありません。
数年前ヨーロッパ出張の際に気に止まったニュースで、ドイツ西部では交通の安全性を高めるために信号や停止標識を取り払うことを決めた、とありました。
各自で安全を確かめるためなのでしょう。日本とは、考え方、方向性が大きく異なることを感じます。
私はルール作りの他にも、そのルールを市民に伝える方法、それをマナーにしていくこと、さらに道路や信号についても、自転車を利用する者の視点で提案しました。
しかし、それらは、警視庁へ、整備の事務局へ、と縦割り社会で振り分けられたり、道交法にあること、というありきたりの回答ですまされてしまいました。
私は、ヨーロッパのような自転車社会がそのまま日本で通用すると思っていません。
それは、国土面積や自転車の文化、歴史、習慣、車種が違うからです。
ただ、今のままでは多くなっている自転車事故が増え続け、改善されないと思っています。
各自が共通の意識を持ち自転車に乗り、シンプルな内容でお金のかからない市民による自転車ルールができ、自転車がストレスなくスムーズに活用される社会になれば良いなぁ、と思っています。
-2011.10.7- |