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COG > Report > 2008 EUROBIKE -アムステルダムの自転車環境-
 

アムステルダムの自転車環境

今年6月に日本の道路交通法が改正されました。
自転車事故が増えている事と自転車が歩道を無秩序に通行している実態を踏まえ改正されたとのこと。
警察庁が自転車は原則として車道を走ることとハッキリと言ったことで、
スポーツタイプばかりでなく、いろんな車種が車道を走るようになりました。
しかし改正後、自転車事故は少なくなったのでしょうか。
事故の原因の多くは、都市部にあると思います。
人や自転車が多いところに事故が発生する確率が高いでしょう。
私が8年前ヨーロッパを自転車で旅したときに似た環境を思い出すのは、オランダ・アムステルダム。
都市部にある自転車の問題は、アムステルダムも同じで自転車が街に溢れていたのを思い出しました。
ユーロバイク視察の後、街が自転車とどのように共存しているのか改めて見に行きました。

平坦な土地柄のためか、日本でいうママチャリタイプが多く見られます。
スタイルはオールドタイプですが、新車でもこのタイプが販売されています。
ブレーキはペダルを逆回しで止めるコースターブレーキを使っているので見た目はシンプル。
ギアはシングルでママチャリとあまり変わりません。
日本との違いは、サドルの高さと走行スピードです。

<サドルの高さ>
東京:低い。サドルに座ってから漕ぎ出す。
アムステルダム:高い。ペダルを踏み出してからサドルに座る。
走行中ペダルが下にあるとき、ひざが少し曲がる程度に合わせてサドルの高さを合わせている。
<走行スピード>
東京:12〜15キロくらい。歩くよりちょっと速いくらい。
アムステルダム:18〜20キロくらい。結構速く感じます。

それからマナーとルール。
一般の自転車でも手信号をする人がいます。
右左折するとき、曲がる前に手で曲がるほうを指します。
手信号をすることで、曲がる意思を周りの自転車にわからせるためです。
それと右側通行の徹底(日本は左側)。
東京では逆走する自転車が多く、事故の報告も聞きます。

何といっても日本との大きな違いは、自転車道が確保されていることでしょう。
だから一般自転車でもスピードが出せるし、マナーやルールが守られているのでしょう。
ひとつ驚いたのがその自転車道は、スクーターバイクも走行OKなこと。
事故はないのかと思いましたが、交差点や横断歩道で交差するところでは、スピードを落としていました。
人に近づくときは、減速する。
当たり前のことが、日本の都市部ではされていないから、歩道での接触事故が絶えないのでしょう。

スポーツバイクが増えて歩道をスピードだして走るのは、
道路を車が占領していたころと、そう変わりないように思えます。
自動車、自転車、歩行者。
問題なのは乗り物ではありません。運転しているのは、すべて人です。
どのような立場でも相手を思いやる気持ちを持っていれば、事故はもっと少なくなるでしょう。

ヨーロッパの人々は、基本的には冷たいように見受けられますが、
公共の場では、ルールやマナーがなんとなくあって最低限守っているようすに感じられます。
電車やバスでお年寄りには自然と席を譲り、やたらめったら携帯電話で大声で話していません。
注意を促す車内の放送やポスターもありません。
他人の存在をちゃんと意識している証拠ともいえます。
一人だけの世界だったら、好き勝手でいいでしょう。
他人や大勢の人とともに生きるから、きまりや約束ができていくように
道路においてもルールやマナーがあり、どんな乗り物でも誰と走るときにも
心地よく自転車が楽しめればいいなと思います。

初日、大雨ときどきカミナリ

初日、大雨ときどきカミナリ

初日、大雨ときどきカミナリ

初日、大雨ときどきカミナリ

初日、大雨ときどきカミナリ

初日、大雨ときどきカミナリ

坂道で自転車を押す夫婦