|
昨年に久々お会いした時、そして今回のハンドメイドバイシクルフェアでも、ご無沙汰していた感じがしないのは、松田さんの気さくなお人柄なのでしょう。
「フレームビルダーの松田さん」
「レベルの松田さん」
と自転車業界でも有名な松田さん。
松田さんの-LEVEL-（レベル）は、マツダ自転車工場の工房から生み出される自転車のブランドネームです。
1951年に創業。創業者のお父様が実用車の製作し、その後、松田さんが1975年から趣味や競技としてのオーダーフレームの製作を開始。
1980年日本自転車振興会登録（NJS）第192号を取得。
競輪選手用のフレームを手がけ、現在はその技術力の高さとネームバリューがLEVELのオーダーフレームの価値を高めています。
「敷居が高い」と思われがちなオーダーフレームですが、セミオーダー、イージーオーダー、フルオーダーと分けられ価格も違い、どこをどのスピードで走るかイメージして、本人の体格や目的など明確にすることで実現できます。
3年位前には、新工房へ移りショールームも併設されて松田さんの作品も展示されています。
またコグのホームページでもご紹介しました走るビルダー、盛合さんの師匠でもあります。
松田さんが今力を注いでいるのは高齢者向けの自転車です。
歩くよりも膝に負担がかからない自転車。
関節痛や足の手術をした後も、自由に動きたい、そんな願いが叶った自転車。
雑誌やTVの取材も多いそうで、日本全国からその反響があるとおっしゃっていました。
松田さんは、一人ひとり膝や股関節などさまざまな症状を聞き、負担が掛からないよう可動範囲を考慮した自転車を作っています。
例えば、足があまりよく上げられないため乗り降りがしやすいように、ダウンチューブが低いこと。地面から18センチの高さでまたげるように設定されたフレーム作り。
また、股関節の手術で左右の足の可動範囲が違ってくる場合、左右のクランクの長さを変えたりしています。
オーナーさんが出来上がった自転車に乗り、どんどん足の可動範囲が広がり、クランクの長さを短いものから長いものへ換えたりもしているそうです。
たったひとつ、自分のために作った自転車に乗る嬉しさ。
そして、再び自転車に乗れる楽しみ。
「嬉しくて楽しくて、行動範囲が広がり隣町まで行けるようになった」と、オーナーさんから喜びの声が届いているそうです。
松田さんは、その声を聞くのが＜とても嬉しい＞とおっしゃっていました。
今回、ハンドメイドバイシクルフェアで展示されていた自転車のうちの1台はこちらです。
「高齢者向けのオーダー自転車 スポーティー優U（ゆうゆう）」
特徴は、
●ダウンチューブが低い
---足が不自由な方でも、楽にまたぐことができる。
●クロモリ素材のフレームで身体にやさしい。
---クロモリのしなやかさが、地面からくる振動などの衝撃を吸収してくれている。
●一人ひとりに合ったニーズに応える。
---足の痛みや症状により、クランクの左右の長さを変えることができる。
実際に試乗してみて、短いクランクによりペダリングの動きが足に大きく響かないようにできているのがわかります。
サドルに座るというより腰掛けるようなスタイルで膝や腰の曲げる負担を少なくしています。
そうすると後ろだけに重心が偏りそうですが、そうにはならないバランスの良いフレーム設計になっています。
私の母も人工股関節手術を2度受けているので症状がわかります。
術後は、「杖をついて歩くこと」「自転車はダメ」など言われ、行動範囲がせまばれてしまいます。
しかし術後でも、リハビリも買い物も出掛けなければならないし、歩くには少し遠い、やはり自転車がいいと声があるようです。
＜自分の力で進む＞
という本来の自転車の魅力が、少しづつ自信を持ち、病気や術後の塞ぎ込みがちな気持ちを変えるのでしょう。
自分の意思と力で外出できる自由さ、外の空気の開放感、体力に自信がついた喜びなど、再び生活に潤いを与えるのだと思います。
現在、高齢化社会の時代、「足が悪くなって外出する機会が少なくなった」「車もそう使えない」という声を聞きます。
健康や体力維持のためだけでなく閉鎖的な生活にならないためにも、このような自転車があることを広く知ってもらえればいいと思います。
高齢者用自転車「スポーティー優U（ゆうゆう）」
フレーム：クロームモリブデン鋼、超低床フレーム
ホイール：22x18/3
変速機/内装3段
ライト/LEDヘッド付オート
付属/フロントバック
＊写真は撮影のためフロントバックを外しています。
価格 ￥148,000.-
ご注文に関しては、体格や症状を聞き調整や試乗を行うためショールームへ足をお運びするようお願いされています。
お問い合わせ・ホームページはこちら
>> http://www.level-cycle.com/
注：今回のレポートは、当日うかがった事と以前にお会いした際にお聞きした事なども含めてまとめました。 |
高齢者用自転車「スポーティー優U（ゆうゆう）」
-LEVEL-（レベル）はマツダ自転車工場の工房から
生み出される自転車のブランドネーム
乗り降りがしやすいようにダウンチューブが低い
クロモリのしなやかさが地面からくる振動などの衝撃を
吸収してくれ身体にやさしい
足の痛みや症状によりクランクの左右の長さを
変えることができる
|
