「二人で回せば、前に追いつくぞー!」
2周目のホームで観戦している人から声は聞こえる。
その声よりも前から後ろでピッタリとついて走る選手がいる。
初めて走る知らない選手。
知らなくとも、協力して前を追う、という意思は見られず、
ただ、ラクをして私より前へ行きたいだけのよう。
私は前に追っている選手から離れてしまわないようにペダルを踏む。
ずっと背中にしょっている感じが走っている間、重くて長く感じる。
そして、どんどんやる気をなくしてしまった。
少し力を緩めたとき後ろについていた選手は逃げていく。
私は追う気が起きなかった。
なにくそー、と思わなかった。
こんな気持ちでレースにでてはいけないな、と。
ジャパンカップから体はすっかりオフになっていて、
練習の計画が立てられなくあまり走れないまま、
ただ初めての8キロコースを楽しみに当日を迎えてしまった。
走れていれば、結果はでたのかもわからない。
チェーンを落としてしまったり、ボトルを忘れてしまったり、集中力に欠けていた。
どんな相手とだって、
どんな走り方だって、
カチキになって、レースができるように、
練習も、気持ちも、次のときには満タンにしておきたい。
今シーズン2大目標は、全日本とジャパンカップの完走だった。
達成はならず、どちらもまだまだ力不足だ。
しかも完走目的のレースはつまらない。
トップ集団に混ざってレースができるのは、まだ先のようだし、
実業団レースも完走ラインの前後で走るくらいだと、
何を目標にすればといいのかと思っていた、ちょうどそんなとき、
来シーズンの実業団でも女子もレベルに合ったレースができるように体制が大きく変わるウワサを聞いた。
新たな目標が見えてきた。
レース体制について詳しい情報は、全日本実業団自転車競技連盟が12月23日に発表するそうです。 |