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第13回 全日本自転車競技選手権大会ロード・レース
  兼 2010年世界選手権自転車競技大会代表候補選手選考会

2010年6月27日(日)会場:広島県中央森林公園サイクリングロード12.3q 周回コース
天気:雨と霧のち曇りのち晴れ
女子競技:86.1キロ=12.3キロx7周
エントリー:48名 出走:46名 完走:22名 結果:DNF

第13回 全日本自転車競技選手権大会ロード・レース朝、ホテルの窓から外を見る。
前日から降り続く強い雨は小雨になったが深い霧が立ちこめていた。
レース用のジャージの上に上下カッパを着て、リュックを背負ってホテルを後にする。
会場は霧で視界が悪くスケジュール通り開催するのか、と思われるほどだったが変更のアナウンスはない。
雨で冷えてはいけないとカッパを着たままアップをする。

過去2回出場している今大会、会場は今年も広島森林公園。
スタートに着くのも落ち着いて46名選手の中ほどに並んだ。

霧が晴れないままスタートは切られた。
テクニカルな下りを誰もが慎重に進む。
集団の流れに沿って前を追う。
進むにしたがって列は長くなり、次第にグループに分かれ追走する。
時おり強く降る雨、霧で視界が遮られるときもあった。
All Japan National Championship Road Race 2010 in Hiroshima私は数人と集団になったが皆必死で追い、声すら出ずにローテしながら進む。
力強く進む集団から私は時々落ちそうになり周りの声援に助けられ再び戻るような走りだった。
3周目の終わり頃から後ろにバイクのエンジン音が聞こえた。
「もう終わりだ。でも最後まであきらめないでがんばろう。」と思ったのもつかの間、4周終わりのホームストレートに入りゴール地点で赤旗が振られているのが見えた。
レースは終わった。
力は出した。これが今の力。シーズン上半期の通信簿だ。
体調万全で走る気持ち良さとはほど遠かったが、それにもっていけないのは勉強と経験が足りないのだろう。

チームのピットへ戻ると感謝の気持ちでいっぱいになると同時に情けない走りで申し訳なさがこみ上げてきた。

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スタートラインにつき、スタートまであと2分というところで「まき〜」誰かが私を呼ぶ。
聞き覚えのある声の方を見ると友人が立っている。
「何でここに?」前フリもなく東京から駆けつけてくれたと熱くなってしまった。
彼女とはレース後に会えた。
久々に会ったので、家族と当日までのこと、体調や練習のこと…、次から次と話す。
彼女は高校の時に私が所属していた部活のマネージャーだったからか、言わずともいろいろわかってくれるし、またスポーツ選手を見た経験もある管理栄養士ということもあるのだろう、気持ちの良いくらい的確な返答が返って来る。ロードレースの現場を見たかったことも知った。
「何も変えるな、ここまできたんだから。去年に比べれば全然いいじゃん。」
今でこそ1年に1回会うか会わないか位だけれど先週も会ったような、また来週も会うようなそんな自然な感じだ。
私は常々メディカルスポーツとか専門分野で誰かと話したいと思っていたけど、なーんだこんな近くの友達がわかるんだ、とスッキリした。

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翌朝、総監督へ連絡をする。
私「完走できなかった」
総監督「やっぱりな、限界だな。」「壁に当たったか?あとは空振りするだけだ。」
私内心(ズバリ!年齢、体力かな…)
総監督「今の環境ではそれが限度。スポンサーとかしっかりつけて集中できるようにならないと無理!」
何かを犠牲にしなければ、これ以上の結果は出ないと思っていたからその発言にはビックリした。

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「今年は今までとは体調が違うから走れるんじゃないか!?」
少し期待していたけれども結果は完走できず、しかも去年より1周少ない。
今年の一番の目標に全日本完走を目指して練習してきたがあまりの力不足に、目標が高過ぎるのか?と考えても答えは出ない。
ただし今年の冬から今まで自分なりの練習をやってきて良くはなってきているという感触はある。
だから目標も練習も何も変えない、ただひたすら続けていこうと思う。
維持していくのではなく積み重ねていくだけ。

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そんなちょっと心が沈みがちな時、自転車で日本を旅をしている方から便りが届いた。
私の取り扱いのグローブとアンダーウエアを着て快適に旅をしていると、わざわざ。
嬉しくて嬉しくて、涙がでた。
今まで通り、仕事とレースの両立をめざし、何も変えることなく続けてシーズン後半戦をがんばろう。

Photo:Asahi YAMAGUCHI.Thanks