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第2回 全日本実業団サイクルロードレース in 輪島
(禅の里ロードレース in 輪島)

女子サイクルロードレース・ジャパンツアー2009(Jフェミニン):第20戦
2009年10月18日(日)会場:石川県輪島市門前町周辺・周回コース 天気:くもり
女子競技:25.6キロ=12.6キロx2周回+0.4キロ
エントリー:9名 出走:8名 完走:7名 結果:DNF

第1回が行われた昨年は、震災復興レースとして開催された。
コースは、200mの高さを約2キロ登り細いテクニカルな下りと川に沿い、
100mの高さを約1キロ登りと長い下りと平地もある輪島の地形を生かした良いコース。
12.6キロの周回コースを女子は2周する。
私にとっては初めてのコース、初めて行く土地になる。

東京からは約600キロの長距離移動。
日本海へ抜けさらに能登半島へを北上し、その景色は地の果てへ行くような眺めだった。
移動したその日は暑いくらいの天気になった。
現地に着き軽く2周試走し、コース途中に土砂崩れがあることや急カーブなどを確認、
飯田レースの後のトレーニングが実になっているのを感じた。
夜になると雷が伴う豪雨に変わり当日朝方まで雨は強かったが、レース前には雨が上がり気温も上がってきた。

アップのためにコース2キロ地点まで登り心拍を上げる。
スタートラインに並ぶ。
珍しく女子が先のスタートでBR-1男子の前に並ぶ。
イベントが目白押しの秋だからか開催場所が遠いからか、女子選手は8名だけだ。
コースが厳しく一人TT状態になるだろう、力を出し切れるようがんばりたい。

「ようい、パン」
ピストルの音でスタートした。
パレード走行で先導車がスピードコントロールして走行する。
登り口まで数百メートルの平地ストレート。
登りが始まったら解除されるようだ。
スタート後すぐお尻が流れる感触があった。
<パンクだ。>
空気が抜けるまで時間はあるだろう気にしない、と思ったがリムの音がしはじめた。
後ろで走っているオートバイに近づき、
「ホイールありませんか?」と聞くと、
「女子は、ない。」
自転車から降りた。
足切りまで10分は時間がある、と手段を考えるが辺りを見回しても自転車を持っている人がいない。
近くに大会の第一関門のテントはあるがホイールはない。
人はいるが動きはない。ついていないときは何もないもんだ。
時間はただ過ぎていった。
「はい、あなた何番?」
テントにいた人から事務的に言われ、あきらめる。
次があるから、ヘコんでいる場合じゃない。

ヘルメットキャップとタグを返却し落ち着きを取り戻し、<これから>のために私が悪者になろうと決心する。
大会本部へ行き関係者に私がパンクした経緯を話し、今後、将来的に女子にも器材を補充を考えてほしい、と伝えた。
対応は考えているようだったが返ってきた答えにあきれてしまい、それ以上話は続かなかった。
実業団の女子レースに参加者を増やそうと、一時参加料を無料にしたと聞いたことがある。
そうしても増えることはなかったそうだが、反面毎年オフシーズンには女子レースが無くなくなるかどうか、なんて話しも聞く。
女子はカテゴリーが一つしかなく脚力の差も大きい。
主催側の対応も大変だろうが規則を考えていかなければエントリーは少なくなるばかりではないか。
こんなに自転車ブームと騒がれている中、日本のトップを競うロードレースがこれでは、と思ってしまう。
私もできる事はやって良い方へ変えていけたらとも思う。

ウチに着き、夫にレースの報告をした。同じ日にJCRCに参戦していた夫は、
「群馬も路面が濡れていて、女子のスタート直前に2人がパンクしたけど、スタッフがマビックカーからホイールを奪い取って、すっ飛んで換えていたよ。レースをするのに男子とか女子とか関係ないはずなのに。」

総監督から電話があり、レースの報告をした。すると、
「走らしといて、それはねぇなぁ〜。」
ごもっとも。

最終戦はゴールができずに今シーズンの実業団レースは終わった。
これはこれで、今までレースではなかったパンクを経験し勉強になった。
次からはたぶん大丈夫だろう。
今シーズンは体力的にも精神的にも色々な面で不安を抱えて走り抜けた。
自分の弱いところが出たけれど、一山乗り越えた感じがする。
オフシーズンにやりたいことが沢山ある。
来シーズンへ向けて、気持ちはもう始まっている。