女性の声と伝えたい思い
うれしい声を聞けて、よかった。
男性と力が同じでない分、どこにどう注ぐか、見つけよう。
○参加前の声。
「子供を夫に預けて来た」
「女性同士で走りたかった」
「高島さんのムネを借りるつもりで…」
○走った後の声。
「一人で走っていたから、みんなで、女性だけで、走って楽しかった」
「今まで使っていなかった身体の部分がわかった」
「自転車に乗り始めたけど、周りに聞く女性サイクリストがいなかった。女性同士で走りたかった」
「できた!」「うれしい!」「たのしい!」
「周りが男性ばかりだったので、女性サイクリストを見て走りたいと、ずっと思っていた。だいぶ思い切って来たけども、来てみてよかった」
「いろいろ言ってもらったことなくて、うれしい!こんなに乗り方を教えてもらったことはない」
○自転車を置くと、話しがとまりません。
ダントツに多いのは、やっぱりサドルのこと。
小柄な女性の自転車の工夫、自転車とのきっかけや付き合い、直接話さないと、わかりづらいこと、お互いの経験を出し合います。
私の遠い記憶より、参加サイクリストの数ヶ月前にハードルを越えたお話しの方が、より身近に感じ、自分もできると勇気が湧いてきます。
ツーリング、レース、トライアスロン、サイクリング、ロングライド、、、志向は違っていても、女性サイクリストが集まれば、明るい笑い声がたえません。
女性が関わるさまざまな環境の中でも自転車に乗ることをあきらめないで、楽しんでいるようすをおしゃべりしました。
○サドルの悩み。
「サドルが当たって痛い」という悩みはいろいろな原因が考えられます。
・サドルの位置、角度がポジションと合っていないのか。
・ぺダリングによるものなのか。
・サドルそのものが合っていないのか。
・フォームがとれないから、当たるのか。
・筋力が足りないのか。
一緒に走ってわかることは伝えてきました。
詳しくは、「フォームをよくする」の
●フォームがとれれば、痛みは少なくなります
を読んで試してみてください。
○下ハンドルを使おう。
下ハンドルを使わない女性は少なくないようです。
向かい風が強いときや下りで下ハンドルを握るといっても、慣れていなければ急にはできないでしょう。
また、力が入ることもあります。
・一定区間を下ハンドルで走行しました。
「意外にラクだった」
「この方が力が入るのがわかった」
など、下ハンドルを使うことでいつもと違う体の筋肉を使うのがわかります。
○「下りは、こわい、苦手」。
という女性サイクリストによく会います。
ハンドルにしがみつかないフォームができるようになりましょう。
下りは、無理に急いで、上達することはないです。
何度も下っていくうちに自然に身につけば、いいと思います。
○メカニックはできることを少しずつ。
女性は自転車のメカに弱いとよく聞きます。
情報はたくさんありますが、「わからないことはしない。わかることをする」です。
掃除をすることで、いろいろわかってきます。
パーツの名前などを少しずつ覚えていきましょう。
○前を走る。
「女性がサイクリングをはじめる」きっかけは、誰かと一緒という機会が多いようです。
そして、走る時のほとんどが、誰かの後ろでは、ありませんか。
ボーイフレンドなのか、夫なのか、練習相手なのか、、、男性の後ろ。
体力ができても、道を覚えても、ツキイチ(自転車用語:着き位置)。
参戦していた女子レースの中でも私の走る位置では、その傾向がありました。
走行会では先頭を代わり力を分け合うことを取り入れました。
これは、精神的なこと、生き方なのか、日本社会の女性特有のような、深く関わっているのではと長い間、思っています。
私自身にも弱い部分があり、そういう考えだったと気づいたり、自転車にかかわり時間と共に変わっていきました。
その時々の場面や物事において、主になるものは変わっても、共有したり、協力したり、女性が前へ出ることがあっていいと感じています。
それには、女性も、自分を軸として意識を持つといいと思います。
先頭を走ることで、全体のペースを見て信号などの道路状況を判断します。
責任感や自立心などが生まれ、前を走る気持ち良さが感じられたらと思っていました。
○女性サイクリストへ伝えたいこと。
女性限定の走行会をはじめたのは、スポーツバイクの悩みがあっても周りに聞く人がいない、数少ない女性サイクリストが一緒に走れたらと思いました。
一人ではなく誰かと走ることで、それまでと違う感覚、意識が変わっていく感じをつかんで、スポーツとしての自転車を楽しめたらと思っています。
私は、子供の頃からスポーツをしており、大人になっても体を動かしたくて、いろいろなスポーツを経験しました。
遠回りして、やっと自転車に出会い、旅へ出ました。
ニュージーランドで、宿のお母さんが、朝早起きしてサイクリングをしていました。
帰ってくると「あ〜、スッキリした」という様子を見ました。
また、キャンプ場で会ったカップルや老夫婦は、自転車の旅を積み重ねていたのを見て、大人になっても自転車に乗っていいのだと思いました。
それから、ヨーロッパの風景を見て、日本へ帰ったらロードバイクに乗ろう、と思いました。
そこでは、母と子で自転車を楽しんでいたり、キャンプ場のシャワーで見た体を鍛えている女性が少なくなかったり、生活の中にスポーツや自転車がある姿を目にしました。
女性は生活環境が変わりやすい中で、一生続けられる好きなスポーツを持つのは、心の支えになると思います。
単に自転車が楽しい、自分だけの時間になります。
それは、自由になる瞬間だったり、自分に戻れたり、心が解き放たれます。
楽しいからと続けることで、体力がついて自信がつきます。
すると、目標ができ、時間を作ろうと日常生活が変わってきます。
身体が変わり、食べ物も変わってきます。
季節が感じられるようになります。
充実感や達成感を得て気持ちが満たされば、それまで気になっていた細かなことが気にならなくなります。
判断力や集中力もついて、ルールを知って身につき、社会の仕組みがわかってきます。
自分の個性が発見できたり、新しい自分が作れます。
それらが、自転車スポーツをした後についてきます。
私が、時間をかけて、わかってきたことなのだと思います。