コグ
   
 

COG > Report > 6th All Japan Businessman Cycle Road Race in Ishikawa
 

第6回 全日本実業団サイクルロードレースin石川

〜チャレンジロード参戦後、実業団レースデビューまで〜
2007年7月15日(日) 会場:福島県石川町一般公道コース 天気:大雨
女子競技:47.8キロ=パレード3キロ+13.6キロx3周+7キロ
結果:8位/完走:10名/エントリー:22名

カテゴリーBR-1、ジュニア、女子のスタート地点となる石川高校で、待つこと20分。少しアップして温まった身体は、雨に濡れる。開会式がとり行われ、飯島美和さんのアナウンスが響く。選手宣誓があり、高校生のブラスバンドによる演奏で送り出される。走り始めはパレード走行。石川町の商店街を掛け抜ける。沿道には町の人々が並んでおり、
「がんばれ〜!」
と声援を送ってくれる。よくマラソンで見るような光景だ。そのような状況の中を「私がロードバイクで走っているなんて!」という思い。
ついこの間まで自転車にテントとナベとコンロを積んでツーリングをしていたこの私が、なのだ。

パレードランが終わり、いよいよコースに入る。なだらかな登りが続く周回の前半。集団の中で前を引いたり、下がったりした。 会場の中心となるB地点まではトップ集団についていったものの、次の登りでじわーっと落ちていった。登りきった後の下りに入ったときには、トップはもう見えないくらいものすごいスピードで下って行った。
この先のコースはどうなっているか、大雨の中どのくらいブレーキが効くか、曲がれる速度は、確かめながら走っていた。90度くらいのカーブはいくつかあり、1ヶ所鋭角のカーブの外側、家の壁にはクッションが設置されていた。注意しながら進む。

2周目の登りが始まる。先頭は、もう見えない。とにかくペースを落とさないで登らなければとペダルを回す。身体が熱くなりサングラスがくもる。自分がどのくらいの位置にいるのかわからない。
「2分40秒!」
B地点でチームの方から声が掛かる。トップとのタイム差だ。これ以上あけてはならない。
いつもの練習でもそうだが、私は後半からエンジンがかかり、ようやく調子も上がってきた。コースもわかってきた。数名の選手に追いついた。彼女たちにも疲れが見える。
「先頭に近づこう、がんばろう!」
と声を掛けた。これ以上タイム差が広がったら、走れなくなる。 実業団ロードレースの大会規則で先頭から5分遅れたものは失格、とある。 それまでいっぱい練習しても、朝早く起きて東京から福島へ来ても、自分の意思とは関係なくトップから5分遅れたらレースをやめなければならないのだ。

私はレース中でも走れば走るほど、もっと走りたくなった。なんとかしてでもゴールを目指す。 3周目の途中で左ふくらはぎがつりボトルの水をがぶ飲みしたら、すーっと消えた。 そして最後の登りだ。力も尽きてきたが、振り絞ってペダルを回す。
「あと少しですね!」
抜きつ抜かれつ走っていた選手から声が掛かる。ダンシングしてスパートをかけた。
・・・ゴール・・・
声を掛け合い、一緒に頑張った選手と握手をした。 ゴールできた…。そのことに充実感が溢れてくる。選手として登録し実業団の初レースを走りきれてよかった。
トップとのゴールタイム差は、5分半。 このタイムを埋めるために練習を重ねよう。そうしなければ、ロードレースの勝負ができない。

チャレンジ参戦のレポートと重なるが改めて、私が走行会<コグコグ>を催し、回数を重ねていくうちに参加人数も増え、今までの経験だけでで良いのかという疑問と、もっと速くなりたいという欲求から、クラブチーム「オーベスト」の練習会に参加させてもらった。 自分で速くなってきたという実感もあり、試してみたいと4月のチャレンジロードレース参戦した。 しかし体調不良で終わってしまい、力を出し切った感じがしない悔しさから、その後も練習した。
そして次のレース4/22JCRC第3戦群馬CSCに挑み、目標であった表彰台に上がれたが、自分の力ではどうすることもできないことがロードレースでは、起こりうるのを経験した。また、悔しい思いを練習に向けた。
「ちゃんとロードレースをしたい、もっといろんな人といろんなコースを走りたい。」 レースに対する膨らむ想いから練習会に参加させてもらっていた「チーム オーベスト」の選手として実業団に登録をし、今回が実業団初レースとなった。
それまで広い海に手漕ぎボードでえっちらほっちらと漕いでいたところを、大きな船に乗っけてもらったような安心感でレースに挑めた。 参戦できるロードレースから、選手申請や日本の自転車競技組織のこと、ロードレースのルールなど全くわかっていなかった。今もよくわからないことばかりで、レース参戦し経験をしながら、いろんなことを学びたいと思う。
また、実業団女子のカテゴリーは、ひとつしかない。(07年から、BR-2女子を設けている) 今回レースエントリーしている選手は男子がBR-1、2、3の各カテゴリーともに、100人以上いる。 女子が22人。女子もせめて50人くらいでレースをしたら楽しいだろうなと思うので、登録する女性が増えたら良いなと思う。

長い間ほったらかしにしていた旅の荷物をほどいて、ようやく次の新しい旅が始まったような感じ。